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梅しごとQ&A 梅シロップの梅が茶色い、大丈夫?

 

2026年、梅の季節もいよいよ終わりが近づいてきました。

今年も、梅の芳しい香りに包まれながら、梅しごとを楽しまれた方も多くいらっしゃることと思います。

 

中でも、毎年人気の手仕事のひとつが「梅シロップ」。

 

 

仕込んでからしばらくすると、「あれ?梅が茶色くなってきた?」と不思議に思われるかもしれません。

 

あるいは仕込んでまだ日が浅く砂糖が溶けきっていない頃

「梅がまだら模様になった」「梅が部分的に茶色くなってしまった」、という場合があるかもしれません。

 

初めての梅しごとならなおさら、
「これは失敗?」「腐ってしまったのかな?」
と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。

 

今回は「梅が茶色くなっても大丈夫?」「梅が茶色くなるのはなぜ?」という疑問について、

科学の視点も交えながら、ご紹介したいと思います。

梅が茶色くなったら失敗?

 

梅シロップの梅が茶色くなるのは、腐ったから?

 

梅シロップを作っていると、梅全体あるいは、梅が部分的に茶色く変色することがあります。

「失敗したのかな?」

「腐ってしまった?」

と心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、茶色くなったからといって、それだけで腐敗とは限りません。

 

明らかにカビが生えていたり、腐敗臭がしていなければ大丈夫です。

 

梅シロップの梅が茶色くなる理由

 実はこの変化には、梅がもともと持っているポリフェノールという成分と、ポリフェノールオキシダーゼという酵素が関係しています。

 

梅には、クロロゲン酸などのいくつかのポリフェノールが含まれています。

ポリフェノールは植物が自分の身を守るために持っている天然の成分で、梅だけでなく多くの果物や野菜にも含まれています。

 

ポリフェノールの健康作用は様々ですが、代表的な作用として、高い抗酸化作用が知られています。

 

一方、ポリフェノールオキシダーゼは、ポリフェノールを酸化させる働きを持つ酵素です。ポリフェノールが変化するのを助ける「お手伝い役」で、梅自身がもともと持っているものです。

 

 

梅の細胞の中では、本来、ポリフェノールと「ポリフェノールオキシダーゼ」という酵素は別々の場所に存在しています。

 

ところが、梅シロップを作るときに、梅を砂糖に漬けると梅の細胞が少しずつ壊れ、それまで離れていたポリフェノールと酵素が出会います。

さらに酸素が加わることで、酵素がポリフェノールを酸化させ、「キノン」という物質へと変化します。

このキノンはとても反応しやすい性質を持っていて、ほかのキノン同士や、梅に含まれるアミノ酸・たんぱく質などと結びつきながら、次第に褐色(茶色)の色素を作っていきます。この一連の変化を「褐変(かっぺん)」と呼びます。

 

このため、シロップの梅は次第に茶色く変化していきます。

また梅シロップを仕込んで数日、まだ砂糖が溶けきっていない頃にも、梅が部分的に茶色い状態になることがありますが、おそらく氷砂糖などで表面に細かなキズがつくことで、上に説明した「褐変」が部分的に起こるためです。

 

 

例えば、

  • りんごを切ってしばらく置くと茶色くなる
  • アボカドや梨が切り口から茶色くなる

これらも同じような仕組みです。

つまり、梅が茶色くなるのは、果物によく見られる自然な変化のひとつなのです。

 

もちろん、腐敗とは区別して考える必要があります。

茶色くなっていても、

  • カビが生えていない
  • 異臭がしない
  • シロップに不自然な濁りがない

のであれば、色の変化だけを理由に「腐った」と判断する必要はありません。

 

見た目の変化に驚くこともありますが、

梅が本来持っている成分による自然な変化として、安心して見守っていただければと思います。

 

本当に大丈夫?

「褐変」と「腐敗」、本当に違うの?本当に大丈夫?

そんな不安を解消すべく、講師:石井理子が茶色い梅を実食し確認してみました!

こちらは仕込んでまだ4日ほど、まだ氷砂糖も溶けきっていないのに部分的に茶色くなってしまった梅です。

食べてみたところ、味も全く問題ありませんでした。

(まだ漬けて数日なので、内側はとても酸っぱい!)

 

やはり茶色くなっていることについては大らかに見守ってあげてよさそうです。

梅シロップを失敗しないために

梅シロップの梅が茶色くなっても、腐敗していなければ全く気にする必要はありません。

 

ただし、梅シロップがカビたり腐敗することも、もちろんあり得ます。

特に、砂糖を減らしたレシピの場合は腐敗しやすくなります。

 

 エキスが出てくるまでのしばらくの間、上の方の梅は空気に触れており、(カビや腐敗菌は空気が大好きです!)腐敗しやすい条件は揃っています。

梅が腐敗しないようにするためには、早くエキスを抽出し、シロップに梅が浸るようにすることが大事です。

 

 

 

最初の数日は、1日一回瓶を回して、上の方の梅に溶け出たシロップを回るようにしてあげると、浸透圧で早くシロップが出てきます。

漬かるまではしばらく様子を見てあげると安心かと思います。

まとめ 梅が茶色くなったとき

結論:梅シロップの梅は茶色くなっても、腐敗していなければ大丈夫!

 

いかがでしたでしょうか。

皆さまがお家で梅しごとを楽しむヒントになれば何より嬉しく思います!

 

季と和 石井理子

参考:

東邦大学理学部 生物学科 生物学の新知識 「酸化還元酵素(Oxidoreductase)」

 https://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/0830.html

 

一般財団法人 梅研究会

梅に含まれる成分とその作用

https://www.umekenkyuukai.org/knowledge/nutrients.html

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